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原神ARの作り方

 ここでは原神ARの作り方を説明して行きたいと思います。個人でやってみようとしても、検索すれば営業的な内容がほとんどで、必要な手順などはほんの少し、あっても小出しにされている程度です。この中から必要な情報を読み取って組み合わせ、自分の手で自分が必要としているものを作り上げるのは、特に初心者の方々には至難の業かも知れません。
 なのでぼくが調べてここまで実現できたものを、具体的にまとめて公開します。検索すれば他のサイトにたいてい説明してある基本的なことは省略します。ここでは最終目標に辿り着くための「道しるべ」になるようなポイントを説明したいと思います。

 まず必要な機材はパソコンです。Windowsでも最近のものなら行けると思います。ぼくはMacintoshでOSはMojave(10.14)で作りました。
 Macでの手順を中心に説明しますが、基本はWindowsでも同じなので読み替えていただければと思います。

 最初に自分のパソコンにUnityをインストールします。
▪️Unity
ダウンロードページ
 自分はUnity Hubをまずインストールして、そこから同時に複数バージョンのUnityをインストールしています。今回のAR作成で自分は「Unity 2021.3.24」を使いました。最近になってUnityは一気にバージョンアップしましたが、バージョンが新しくなるといろいろ仕様の変更があり、以前のデータが使えなくなることがありますのでご注意ください。

 Unity Hubでは複数のバージョンのUnityをインストールし管理することができます。新しく作るのであれば最新のものでもいいと思います。ここでは実際に使用したバージョンでの解説になります。

 Unity Hubから使用するバージョンのUnityをインストールしたら、新規プロジェクトを開始します。「新規プロジェクト」をクリックしてください。

その際「AR」を選択して必要な部品をインポートしてください。またここでプロジェクト名を設定できるので、わかりやすい名前をつけてください。

手順の具体的な詳細は他のサイトでも説明されているので割愛します。ここでは「肝心なこと」を中心に進めます。
 このような画面になれば成功です。

次に、出力するデバイスに合わせて設定をします。Build Settings(ビルドセッティング)で出力対象のOSを切り替えます。

 自分はiPhone SE(第二世代)を実機として使用しているので、その設定にします。Androidの場合は出力先のOSをここで切り替えるだけです。その後プレーヤーのセッティングも必要ですが、詳細は別のサイトに譲ります。

 これでUnityにAR作成用の環境ができました。次はここに原神のフィギュア(3Dデータ)を読み込む準備をします。

AR用のステージについて

 AR(拡張現実)は、現実の空間に3Dモデル(物体やフィギュアなど)を描画して「あたかもそこにそれが存在するかのように」見せてくれる技術なのですが、現状ではまだスマホの一部端末しかARオクルージョンに対応していないので、遮蔽物の多い室内では画像を貼り付けたような不自然な状態になります。なので一般的なARの体験・実験としては比較的広い屋外での実行が望ましいでしょう。

▪️ARオクルージョン事例動画(技術開発された当初のもの)
Codename: Niantic Occlusion – Real World AR Occlusion featuring Pikachu and Eevee

 手頃な場所は公園や海岸、河川敷などの開放された空間になります。自分の場合、近所(と言っても車でしばらく走るわけなんだが)に百花台という公園があるのですが、もっぱらそこを利用しています。またGPSを利用する場合は精度の誤差も考えなければなりませんので広い場所の方がいいのです。まぁ、先々はこれらの技術も進歩して対応端末も普及し、GPSで室内の空間の一点に出現させられるようにはなるでしょうが、今はステージを選んだ方が良さそうです。

 ぼくがベースにしている百花台自然公園は、休日には人出が多いのでAR撮影には向きませんが、平日であれば散歩やジョギングをする人がたまに通るくらいの静かな場所もあります。
 ぼくも時々ねこを散歩に連れて行きますが、ペット連れの散歩者も結構見かけます。この日は天気も良く、新緑も鮮やかでとても気持ちのいい時間帯でした。ねこも気持ちよさそうに草を食んでいました。皆さんも近場にそうした場所があればお出かけになり、ARを試してみられることをお勧めします。

※ ちなみにこのねこはARではありません。
 中世のお城を模したモニュメントがありますが、その裏手に回ると以前植樹祭で植えられた様々な種類の樹木が茂って連なっています。地形も表情が豊かでいろいろなロケーションが楽しめます。こういう場所(案外知られていない)も使い方次第で異空間との接点になりそうですね。これからは紫陽花が色づく季節になります。タイミングがよければアップできるかも知れません。
例えばこんな場所で

こんな写真が撮れます。

 また今回新たに大三東駅も試してみましたが、ここは二年ほど前に「海に一番近い駅」ということでCMに使われて、一時期有名になったところです。先日(大型連休の前後に)通りがかった時にまだ来訪者が幾人もおられたので、こういう場所とコラボするシチュエーションもいいかなと思い利用してみました。ところが、ところが・・・平日だったにも関わらず撮影中にも何人も来訪者があり、最後まで撮影できませんでした。また場所的にもホームの敷地が狭いのでなかなかうまい位置に出現させられませんでした。これらを教訓にARの位置調整をして時刻も考えて(できれば満潮時を狙って)再チャレンジしてみたいと考えています。
 ただ駐車場も手狭なので、県外からの来訪者の皆様にはぜひ鉄道を利用していただきたいですね。その方が雰囲気でると思いますよ。

 ※もし「ここなんかどう?」という、ARに適した場所がありましたらお知らせください。人の多い観光地はできれば避けたいですね。他の人から見たら・・・スマホ持って真剣に「何もない空間」をうろうろぐるぐる撮影している人って、異常じゃね?

原神ARで遊んでみた

 近頃流行りのゲーム「原神」なるものを都合よくAR(拡張現実)化して遊んでみました。
 というのもオフィシャルサイトでキャラクターの3Dデータを無償配布しているという、実に太っ腹というかむしろ現代的というかはたまた中華的というか、そんな感じの好都合な状況だったのです。
 公開されているMMDデータファイルをゲームエンジンのUnityに取り込み、これまた公開されている(別サイトの)モーションと曲を合わせて、「踊る原神キャラ」のARができました。これはARなので、現実の空間・風景に3Dフィギュアの立体モデルが描画されます。スマートフォンでアプリを起動すれば、目の前に原神キャラが現れて踊り出します。後ろに回れば後ろ姿が、近づけば近付いただけアップになります。近付きすぎると通り抜けてしまいますが。
 スマホというファインダを通してですが、まるでそこに実物大の彼らが存在しているかのような体験をすることができます。これまでパソコンやスマホの画面でしか出会えなかったキャラクターに自分の生活圏で会える、という仮想世界と現実世界とが融合したような新鮮な感覚です。ご興味のある方はおひとつ、作ってみられてはいかがでしょうか。自作アプリを自分のスマホに入れておけば、どこかの旅先でも好きなキャラクターとツーショットの記念写真が撮れるわけです。

 著作権についてはオフィシャルに公開されている3Dデータはかなり寛容で、「個人使用ならば公序良俗に反しない限り好きに使っていい」という感じで、レンダリング画像(二次元画像・動画)などであれば自由に公開して構わないようです。ARの動画ショットも個人使用での画像形式であれば、公開しても問題はないでしょう。ただ3Dデータを加工して自分のアバターとして使ったり、VRやゲームなどにデータを格納して不特定多数に公開する二次配布や、直接的な商用利用などは禁止されているように読めます。この点は厳密に詰めてみる必要がありますね。
 何はともあれ個人での利用であれば「かなり」自由に遊べるコンテンツになっていると思います。

 ■ようつべに公開してみました
  https://www.youtube.com/@Tonio3D

【使用素材出典】
・原神サイト
  https://genshin.hoyoverse.com/ja
・【MMD】ねこみみスイッチ【モーション配布】
 https://www.nicovideo.jp/watch/sm14365789
・ねこみみスイッチモーション
  https://bowlroll.net/file/421
・好き!雪!本気マジック
 https://www.youtube.com/watch?v=79N1O0lF0GY&t=0s
・好き!雪!本気マジックモーション
 https://bowlroll.net/file/30993

 ※ ちなみにぼくはこのゲームやったことないです…