島原城天守閣ペーパークラフトはある意味現代的な方法で作られました。
写真を元に3Dソフトでその形状を作成し、この3Dデータを二次元の平面に展開するソフトウェアに渡して、ペーパークラフト用の展開図にしています。
もちろんそのままでは使い物にならないのですが、実際にペーパークラフトを何度も試作してみて細部を詰めて形状を完成させ、そこに実際の写真を元にした絵柄をDTPソフトでなぞって作り上げたものです。パソコンがあれば自分の好きなペーパークラフトを誰でも作れるということですね。仕事から帰って時間を作って作業しましたが、3ヶ月ほどかかりました。
大事なのはここからです。せっかく3Dデータの島原城の形状ができたのだから、部品を付け足したり、窓を開けたりして「3D島原城」を作らない理由がありません。その結果できたのが「島原城3Dデータ」であり、これをレンダリングしたものが冒頭の画像です。
屋根の鯱鉾が金色なのは単に見栄えを良くしたかったからです。もちろん実際は違います。
これでパソコンのバーチャル空間に島原城を築城できました。使おうと思えばゲームで使えます。しかしパソコン画面や画像に書き出すだけではつまらないので(写真やイラストと変わらない)、これを3Dプリンタで出力してみたくなるのが人情。そのためには対応するフォーマットに変換し、立体模型として作成するために部品ごとに分割したりして、適切な出力データを作らなければなりません。ここまで来ると、ほぼプラモデル自作の世界になっています。
そうやってできたのが次の「島原城立体模型」になります。
さらに、これをAR(拡張現実)にしてみましょう。これにも専用のソフトやプラグインを使います。そしてアプリとしてスマートフォンにインストールし、自分のスマートフォンで起動します。
ここはとある公園ですが、木陰に島原城が現れました。これは立体ですから、近づけばそれにつれてその場にあるままで大きくなりますし、ぐるりと一周して本物同様に全体を観察することもできます。つい触れたくなるのですが、さすがに画像でしかないので突き抜けます。
この例はサイズ的に小さいですが、もちろん実物大まで大きくできますし、やろうと思えばもっと巨大化させることもできます。(UFOみたいに空を回転しながら飛ばすこともできますが、何のために?)
そして3Dデータがあれば、逆にその形状で切り抜くこともできますから、つまりクッキーやチョコレートの「型」が作れますから、例えばお城の形をしたお菓子などもできそうですね。
好きなところへ島原城をもって行けるというのも楽しそうですね。最近の技術の進歩には本当にわくわくします。