「3Dプリンター」カテゴリーアーカイブ

ケース入り島原城

 市販のケースに入るサイズで出力してみました。
 ケースに合わせて、高さはそれぞれ A : 9センチ、B : 7.5センチです。

島原城 ケース入り

 前回のPLA Goldフィラメントがなくなったので、別のメーカーのものを試してみました。前回のものより やや明るい感じの金色になっています。

黄金の島原城模型

 色合いは好み次第になるでしょうが、私は前回のメーカーのものがより黄金に近いと感じました。しかし展示する、飾るという場合はこちらの方が見栄えがするかも知れません。
 感覚的なものですが、今回のフィラメントの方が造形の品質は良いようです。

 前回の出力結果に応じてデータを微調整・修正してあります。また内部は空洞にしてあり、材料消費と出力時間の節約をはかっています。造形に費やした時間は、Aが4.5時間、Bが3.5時間でした。

金の鯱鉾

 3Dスキャンした実物の鯱鉾(シャチホコ)を、3Dプリンターで出力してみました。

金のシャチホコ 3Dプリンター出力

 やはり簡易的なスマホのアプリでは精度が出ません。業務用であれば精細な形状が取得可能なのかも知れませんが、そうなるとデータ量が莫大なことになりそうですね。

 それでもなんとなく形が出ていますので、遠目に飾っておくにはいいのではないかと思います。これに彩色できればリアルな感じに仕上がるのでしょうが、現時点で3Dプリンター出力したものに立体的に画像をプリントする技術はありません(聞いたことない)。そのうちできるかも知れませんけどね。

■PLA Silk Gold
サイズ : 高さ約 11cm
印刷速度 : 標準

※ 案内板によれば、最近まで天守を飾っていたものらしいです。

夜光島原城

 「蓄光(夜光)フィラメント」というPLA素材がありましたので、試験的に3Dプリンターで出力してみました。

発光する島原城 3Dプリンター 蓄光PLA

 室内光で照らしておくと、暗闇でぼんやり光ります。素材そのものに光を蓄える成分が練り込まれているものと思われますが、そのためか発光はさほど強くない印象です。画像の写真では色の違いもはっきり分かりますが、肉眼ではぼんやりという感じ。以前蓄光スプレーで塗装したものを作りましたが、こちらの方が光り方は強いですね。

島原城 模型 発光

 使用したのはフィラメント自体に段階的なグラデーションを施してある製品でしたので、色を特定することはできませんでした。LEDなどの強い光では、よりはっきりと発光するようです。ちょっとしたポイントアイテムにはなりそうですが、この効果が発揮されるには、出力される形状次第だという感じです。つまり何かぼんやり光ることで意味がでる形状・モデル・・・たとえばハロウィンの幽霊みたいな置物などであれば使えるのではないでしょうか。

 またこの蓄光フィラメントは材料自体に異物が含まれているためか、3Dプリンターのノズルを削ることがあるようです。専用の「硬いノズル」を使用することが推奨されています。
 また、通常の明るい環境では素材自体は白一色になり、あまり目立ちません。これも使い方次第の素材だと言えるでしょう。

島原城 蓄光素材模型

 素材内部の光を放出させるためなのか、透明感のある材料を用いているようで、積層のブロックが透けて見えているのも弱点ですね。

 またこれも特殊な材質のせいか、糸を引いたり「たれ」の様子も少し違う感じです。PLAフィラメントとしてはちょっと「硬め」の感じです。伸びがない、というか・・・少し違いますね。

 このように材料によっていろいろ特性があるようですから、こういうことは試してみるしかないのですね。その上でどう利用するかを考えなければなりません。

■PLA蓄光フィラメント(グラデーション)
サイズ : 高さ 12cm , 6cm , 6cm

黄金の城


 島原城天守閣 オリジナルデータを3Dプリンターの金色の素材(フィラメント)で試験出力したものです。

黄金の島原城 3Dプリンター出力模型 PLA Silk Gold

 スケールとしては、約 1/200サイズになります。
 シルクゴールドPLA樹脂による積層一体形成出力の状態を試すために作成しました。出力時間 : 約14時間。元データの造りが、どの程度正確に出力できるかの確認のために、現在可能な最大サイズを試してみたものです。
 部品分けしない一体形成出力になります。サポート材不使用のため、せり出した部分に「たれ」が見られます。また一部(シャチホコの片側接続部分)に破損があり、修復跡があります。

 試験出力のため、この造形結果を参照し元データの微調整などが行われました。
 光沢もあり重量感もあって、飾っておくにはなかなかいい出来だと思います。

 最近は3Dプリンターやその消耗品なども淘汰され、こなれてきて、操作や入手がしやすくなっています。実際に物を作り上げるにはそれなりの費用や時間がかかりますし、ちょっとしたトラブルでも知識や経験がないとうまくいかないこともありますが、ある程度の経験者にとっては良い時代になったものです。機械の調整に費やす時間が大幅に減り、作品の制作に集中できるようになっています。
 ちょっとした置物や部品の制作、出力確認など割と手軽に思い通りの「もの」を手に入れられるようになりました。たとえば先日などは、自宅のカーテンレールのエンドキャップが壊れたのですが、お店に行っても適応するものがありませんでした。結構いろいろな形状があり、うちでも一階と二階、その部屋同士でも違っていたりするのですね。で、「なら作ればいいじゃん」ということで、何度か試行錯誤しましたがその日のうちに出来上がりました。
 いい時代になったものです。

■ 3Dプリンター FDM(積層)出力
サイズ : 縦15.8x横15.8x高さ16cm
素材 : PLA Silk Gold
ノズル : 0.4mm
積層 : 0.16mm
速度 : 標準
重量 : 320g
出力時間 : 16時間
 

島原城3Dモデル

 島原城天守閣ペーパークラフトはある意味現代的な方法で作られました。

 写真を元に3Dソフトでその形状を作成し、この3Dデータを二次元の平面に展開するソフトウェアに渡して、ペーパークラフト用の展開図にしています。

島原城3Dデータ

 もちろんそのままでは使い物にならないのですが、実際にペーパークラフトを何度も試作してみて細部を詰めて形状を完成させ、そこに実際の写真を元にした絵柄をDTPソフトでなぞって作り上げたものです。パソコンがあれば自分の好きなペーパークラフトを誰でも作れるということですね。仕事から帰って時間を作って作業しましたが、3ヶ月ほどかかりました。

無地の紙で試作
ペーパークラフト展開図
島原城ペーパークラフト
島原城ペーパークラフト 完成品

 大事なのはここからです。せっかく3Dデータの島原城の形状ができたのだから、部品を付け足したり、窓を開けたりして「3D島原城」を作らない理由がありません。その結果できたのが「島原城3Dデータ」であり、これをレンダリングしたものが冒頭の画像です。
 屋根の鯱鉾が金色なのは単に見栄えを良くしたかったからです。もちろん実際は違います。

 これでパソコンのバーチャル空間に島原城を築城できました。使おうと思えばゲームで使えます。しかしパソコン画面や画像に書き出すだけではつまらないので(写真やイラストと変わらない)、これを3Dプリンタで出力してみたくなるのが人情。そのためには対応するフォーマットに変換し、立体模型として作成するために部品ごとに分割したりして、適切な出力データを作らなければなりません。ここまで来ると、ほぼプラモデル自作の世界になっています。
 そうやってできたのが次の「島原城立体模型」になります。

島原城3Dデータ
島原城 3Dプリンター出力
島原城天守閣 3Dプリンタ出力製品

 さらに、これをAR(拡張現実)にしてみましょう。これにも専用のソフトやプラグインを使います。そしてアプリとしてスマートフォンにインストールし、自分のスマートフォンで起動します。

 ここはとある公園ですが、木陰に島原城が現れました。これは立体ですから、近づけばそれにつれてその場にあるままで大きくなりますし、ぐるりと一周して本物同様に全体を観察することもできます。つい触れたくなるのですが、さすがに画像でしかないので突き抜けます。
 この例はサイズ的に小さいですが、もちろん実物大まで大きくできますし、やろうと思えばもっと巨大化させることもできます。(UFOみたいに空を回転しながら飛ばすこともできますが、何のために?)

AR島原城

 そして3Dデータがあれば、逆にその形状で切り抜くこともできますから、つまりクッキーやチョコレートの「型」が作れますから、例えばお城の形をしたお菓子などもできそうですね。

 好きなところへ島原城をもって行けるというのも楽しそうですね。最近の技術の進歩には本当にわくわくします。

島原城AR
どこでも島原城